システムエンジニアの思考

三十代半ばのどこにでもいる普通のシステムエンジニアが、日常のどうでもいいことを書くブログ

勤労感謝の日の真実

 今日は勤労感謝の日だが、11月23日が「勤労感謝の日」だと意識している人は、日本全国で多くはないと思う。私はカレンダーをなにげなく見ていて、今日が勤労感謝の日であることに気がついた。言われてみれば「ああ、そうか」となるのだが、「11月の第四週の祝日は何ですか?」と人に聞かれても答えられる自信は無い。

 これが「11月3日は何の祝日ですか?」という質問だったら、「文化の日」と即答できる。「今日は文化の日だから、上野の美術館にでも行くか」というアクションにもつながってくる。しかし、今日が「勤労感謝の日」だと知ったところで、何をしようということが浮かんでこない。

 勤労感謝の日は何をするべきだろうか。もちろん何もしなくても構わないのだが、文字通りに解釈するなら、自分たちの日々の仕事(勤労)や、働いている自分たちに対して感謝するのが目的のように思える。しかし、そうではないということを私は今日ようやく知った。

 Wikipediaによると、勤労感謝の日は戦前まで新嘗祭(にいなめさい)という収穫物に感謝する行事のための祝日だったと書いてある。宗教色の強い祝日だったからか、戦後にGHQがアメリカの Labor Day (労働者の日)とThanksgiving Day を併せた Labor Thanksgiving Day (勤労感謝の日)という祝日を作ったようだ。つまり、「勤労感謝の日」は「勤労に感謝する日」ではなく、労働者を祝う日であるとともに、収穫に感謝する日でもあるということになる。後者の方がもともとの新嘗祭の目的に近いはずだが、「勤労に感謝する日」と思っている人は多そうだ(私もその一人だったが)。

 「勤労感謝の日」と訳したのは失敗だったように思えるし、そもそもアメリカの二つの祝日を合体させること自体に無理があったような気もする。いずれにせよ、オリジナルの祝日の意味を考えると、今日は収穫に感謝するべきなのだろう。そんなことを思いながら、今日の夕食のビーフシチューを食べた。